◆◆レッツかぎ針◆◆



- プロローグ -


 もう10年ほど前のことになります。当時バンド君だった私。ふと「ラスタ帽いいね」などと思いお店を探訪。びっくり。売ってるラスタ帽のなんとセンスないことよ。判で押したように赤黄緑のチープな配色。しかもいい値段しやがる。憤慨。そして思いました。「こんなモン買うくらいなら自分で作ったる!」

 そんなわけで憤慨の勢いのままに独学で編物をはじめた若き日の私。やってみると意外に簡単で面白い。みるみる上達。糸を途中で変えて模様を入れたりしてなかなかの腕前でした。周囲の評判も上々。私が編んだ帽子をずいぶん多くの人がかぶっていたように思います。

 しかし、男子手芸に対する世間の目は甘いものではありませんでした。材料買いに一人で入る「キンカ堂」。そこでは私は異邦人です。「ん!? なんでこの人こんなトコにいるの?」「もしかして変質者!?」 そんな無言のまなざしが痛かった。私はただ、自分の帽子を自分でつくりたかっただけなのに・・・

 私は、そんな世間の偏見を打ち破り21世紀に向けての「男の手芸道」を確立したいのです。「ン? この帽子? 実は自分で編んだんだヨね」 なーんてことを、反町とかそういう「男」に言わせたいのです。

 今、30過ぎの男がかぎ針を手に再び戦いに挑みます。「自分のものを自分でつくる」ことの素晴しさをもう一度感じるために。さあ「消費」というぬるま湯で溺れる現代人たちよ! 今こそ、レッツかぎ針!


 
●#1 発掘
●#2 おたま
●#3 故郷
●#4 聖地巡礼(1)
●#5 聖地巡礼(2)
●#6 有明(1)
●#7 有明(2)
●#8 思春期
●#9 有明再び
                   [HOME]              NEXT>>